臨床心理士の舩曳@大阪です。全国電話&スカイプ相談対応中です。
発達障害者支援をしていると、かなりの割合で聞かれることがあります。
それは、「発達障害は治るんでしょうか?」ということ。
今回は普段答えていることをお話したいと思います。
器質と性格と環境
心理学の考え方なのですが、その方のお持ちの困っていることの原因がどの段階のものかということを説明する時にこの図を使います。
例えばうつという症状でお悩みの方の場合、うつになりやすい気質をお持ちの方も居られますし、性格的に自信を持ちにくい方、また失恋など環境によって一時的に落ち込んでいることもあるかと思います。
心理学ではそれらの問題の原因をまず
見立て
ます。
発達障害は器質の問題
賛否両論あるとは思うのですが、発達障害は器質(気質)のものであり、生まれつきのものと考える方が最終的には収まりがいいことが多いです。
性格要因、環境要因の場合は、一過性であったり、自分の意志である程度コントロール出来ることが多いのですが、こちらにあるように、多くの場合は、うまく行っていない自分のことは認識出来ても、コントロール出来ないことが多いからです。
生まれつきのものであるならば、私は「治る」という考え方よりも、「発達障害と付き合い、適応をよくしていく」、すなわち「生きやすさ」に焦点を当てることが多いです。
つまり治るか治らないかということを論じるよりも、自分や社会の資源をうまく使って、どう適応していくかを一緒にi考えて行くという考え方です。
それでも「私の発達障害は治りますか?」と聞かれる場合は、はっきりと「今の現代医学では治療方法はないので、うまく付き合っていく方法を一緒に考えましょう」と伝えることにしています。
受容が難しい方
とは言っても、ここが一番難しいところなのですが、対人コミュニケーションや仕事のミスなど発達障害特有の問題で困り感を持ってご相談にいらした場合は自己理解も早く、適応も早くよくなる可能性が非常に高いです。
ですが二次障害である、うつや不安障害、こだわり、パニックを訴える方の中には、「私は発達障害ではないと思います」という方が多いのも事実です。
そういう場合は率直に、その後の適応については時間がかかることを伝え、じっくりと困り感を持ってもらうこととしています。
多くの場合はアルバイトも含め社会に出れば、何かしらフィードバックを受けるものです。
そこで困った時に再度ご相談にいただくというのがカウンセリング(やソーシャルスキルトレーニング)の効果が高いです。
治る治らないの話しより少し広がってしまいましたが、一番はその方が今後生きやすくなるかどうかです。
そのために、原因を知ることよりも、対処法を一緒に考えていくようにしています。
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