1.カウンセリングの必要経費
カウンセリングの料金の中にはカウンセリングをしている時間以外に、広告費、事務費、管理費用などが入っています。雇用すれば人件費も、訓練と研修と学歴が高ければ高いほど、自然と高くならざるをえません。
あと、最大の問題は小売ができないことです。物品であればたくさん売ればそれだけ儲かります(レバレッジを効かせられます)が、カウンセリングの場合には数が限られます。1回50分のセッションであれば、1日10セッションも提供できれば、多い方です。
2.限定された枠
私の場合には1日8セッションぐらいすると、徐々にパフォーマンスが落ちるので、それ以上は悩みや問題に責任を持ってカウンセリングを引き受けることができません。人の話を聞き、心理学的なものを提供するカウンセリングはかなりの心的負担やエネルギーが必要です。
3.カウンセリングの保険適用
保険適用にならない、いくつかの要因があります。その要因の一つとして、自費に徹する方が結果的にも良いと考える人もいます。というのも、保険適用にすると保険適用に関することしかできないからです。
保険適用にならない要因はいくつかありますが、まずカウンセラーについての国家資格がこれから浸透すること(公認心理師)、大学院まで行って取得した臨床心理士が民間資格であること、その他の3日ほどで取れるカウンセラー資格もあり、民間カウンセラーの線引が難しいこと(実績があっても、その他の3日取得カウンセラーとの線引があいまい)、カウンセリングの効果測定の研究(エビデンス)が不充分なことが挙げられます。
その他にも社会保障費の縮小が昨今の緊急課題であること、薬物療法の費用対効果が高いので、それで事足りると考える人もいること、等があります。
これらがカウンセリングの料金の高さと保険適用にならないことの理由です。
また医師や看護師が行うカウンセリングは保険適用されますが、一部治療法が限られること、回数に制限があること、1回あたり、時間が短くなる傾向がある(15分~30分程度)ことを了解されたらそういう選択肢もありです。
4.安価なカウンセリングの罠
それでも安価なカウンセリングはありますが、そのような安価になっているのにはそれなりの理由があるので、受ける時にはキチンと調べる方が良いです。自宅であれば家賃等はかかりませんが、オンラインでもない限り、「人の家に上がる心理的負担」は少なからずあるでしょう。
時には、宗教勧誘の入り口になっていたり。あまり訓練も研修も受けてないので、安くできたり、その結果、治療行為ではなかったり、趣味の延長でしているだけだったり。そのようなことが時にはあったりします。
5.心理カウンセラーと学歴
そして、心理カウンセラーに学歴や大学のランクは関係あるのか?という質問もあったので、以下に書きました。
公認心理師や臨床心理士の場合、一般的には心理学を専門で学ぶため、心理を専門とする大学・大学院に行かねばなりません。その学歴に応じた学費が必要です。さらには教育分析や、スーパービジョンといった訓練を受ける費用、つまり一人前の心理カウンセラーになるには相当の費用がかかります。そうしたことを含めてのカウンセリング料金だと言えるでしょう。
カウンセラーも人の子なので、霞を食べて生きていく訳には行きません。
もちろん、公認心理師や、臨床心理士資格を持たず、大学や大学院に行かずに、3日間だけ研修を受けて、「カウンセラー」を名乗り、仕事にしている人たちも居ます。そういった形でカウンセリングしている人たちはその限りではありません。
大学のランクも関係あるでしょう。ただし、それはいわゆる高校生たちが受験する際の目安のなる偏差値とは違うランク付けになるかと思います。その大学院の教育システムや実習システムの質、また現場経験の数や質に依存しているかと思います。
まとめ
カウンセリングを受けるあなたからは、心理カウンセラーやカウンセリングの背景は知ったことではないかもしれません。
しかし、知っておくことで、あなたも納得して治療を受けられるはずです。
私たち心理カウンセラーの願いは、「クライエントであるあなたが、今後幸せに生きていく力を見つけてもらったり、身につけてもらうこと」です。
それに見合った行為であることを、あなたにも知ってもらえると嬉しいです。
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