自己実現セラピー 臨床心理士の舩曳です。
失った自信を回復させる方法について今回はお話ししたいと思います。
なぜ人は自信を失うのか
幼少期の母子関係から、成功体験の乏しさ、発達障害の影響など原因は様々言われていますが、原因を過去に求めると、過去の出来事は変えられないため、自信回復のためには視点を変える工夫が必要だと言えます。
セラピーやカウンセリングで扱うものは、「(過去は過去として受け止めた上で)今ここで」起こっている感情ですし、同じく受容されつつ「じゃあ次に自信を持ちやすくするためにはどうしたらいいのか」ということを扱っていきます。
原因という悪者探しをするだけではなく、一緒に改善方法を提示していくことも、大事なことです。もしあなたが今仮に自信回復のための支援を受けていて、原因探しに終始している場合には、セラピストやカウンセラーに「じゃあどうしたら自信回復出来ますか?」と次のステップも確認しながら進めていきましょう。
自信回復のために
自己実現の項目ではよく出てくる、自信回復のためのファーストステップですが、
【目線を下げる】
ことをご提案しています。
例えば子育てで自信を失っている方に対しては、怒らないことよりも「怒った後に、褒める(注:怒った後にごめんなさいを言えたら褒めてあげることは、難しいことではありません)」ことを提案します。そうすると怒った後からでも、キャッチアップ(フォローすること、追いつくこと)が出来ますので、怒ってしまった体験だけではなく、「怒った後にフォロー出来た成功体験」として、自己イメージを高く保つことが可能になります。
また仕事で失敗続きで自信を失っている方の場合には、マインドとして、「その上手く行かなかった方法を当時の自分が選択したのは、次に同じ失敗で取り返しがつかなくなったかもしれない。その可能性を早めに洗い出せた」と考えるようにします。そのうえで、次に同じ失敗を繰り返さないための原因分析をしていきます。
まずは失敗に対するポジティブな意味付けをしていくことが重要であると考えます。
自信回復のための仕込み
青学の長距離マラソンの原監督は「ランクを下げる」ということを言っています。
補足すると、「最終的な目標は変えなくてもいいので、期限を決め、それに合った目標を設定する」ことが重要だと、原監督は説いています。
成功体験が自信を作り上げるため、高い目標を掲げ失敗するよりは、小さな目標に分けることで、達成可能な目標にしていくことがとても重要です。
長い目では、エベレストに登る目標を立てることはいいですが、期限や今の自分では達成が難しそうと感じた際には、まずは富士山を、富士山で厳しければ、金剛山(関西圏で山登りで有名な山です)をと目線を少しずつ下げていくことが重要です。
そして原監督より一歩考えを進めて(原監督は自信を持つための初心者に対する教えとして上記を説いたのであり、上級者にはこの話をしていると思われます)目線を下げることを次のスモールステップに分けるでお伝えしたいと思います。
自信を持つためのスモールステップ
上記したランクを下げるとは、期限を決めたなら、その間に達成可能な目標にすることを指します。期限に合った、それこそ身の丈にあった目標設定がランクを下げるです。
今回お伝えするスモールステップはもう少しその先の話しです。
例えば30才までに結婚するという目標は、相手があってのことなので、あまり望ましくありません。
ここでのスモールステップとは、結果ではなく、
【自分が出来る行動に焦点を当てる】
ということです。
望ましい成果(例えば結婚)とは、その成果を出すための行動全て(結婚の例であれば、身なりに気を使う、髪型に気を使う、自分に似合うメイクを考える、出会いの数を増やすなど)をやり続けた結果起こるものです。
営業でいくらうまい営業マンでも、一発でうまくいくものではありません。
アポの取り方から、その時に事前に話した仕込みトークであったり、当日の自分の振る舞い、クロージング等全てのことが影響して、その成果に至ります。
そのため、目標をスモールステップに分ける上で、成果に至るために自分の行動が明確かどうかというのも1つのポイントとなります。
「頑張る」とか「数を当たる」はファジーであり、行動に落とし込めていないがむしゃらな行動は、決して自信には結びつかないことを是非知っておいて下さい。
ランクを下げるのではなく、自己実現のために自己分析、特に結果に至る行動について、きちんと考え、その行動を明確とし、継続することが自信を持つためには必要となります。
そういった自信を持つためにも自己実現は非常に有効な方法なので、是非行動に落とし込むようにして下さい。
行動については自己実現セラピーの中でも扱っています。
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