問題を克服すべき課題にするために
問題はそのまま放って置くと、後から別の「もっと最悪な形で」現れると言われています。
病気などで置き換えると分かりやすいかと思います。
放置することで、病巣を大きくし、後にもっと大きな痛みを伴う手術をしなくてはいけなくなります。
とは言え、原因が分かっていないのに無闇矢鱈に手術や、痛くもない腹を探られることは、不快なものです。社内で原因追求チームなど発足しても、協力が得にくいのはそのためです。
一時ヒヤリハットシートが流行りましたが、医療や福祉の現場では非常に不評でした。労多くして実りなしとも言われていました。なぜでしょうか?
大事なことは原因追求だけではなく、その先の問題解決です。
「問題」と言うと、「問題」としか認識出来ないので、あえてここでは「課題」と呼ぶことにします。
課題を成長のための糧と考え、次に同じミスを起こさないようにする。それどころか、新たなアイデアを見出すことが出来るとしたらどうでしょうか。
そういったいわゆる「分かりやすい問題解決術」のプロセスを経るためには、いくつかのポイントがあります。
一つが考え方、一つがツール、もう一つが仕組みです。
考え方
問題解決の考え方
目標達成の考え方
- 目標を設定する
- 大きな目的を、小さな具体的な目標(スモールステップ)に分解しておく。
- 目標と現状のギャップを明確にする
- 図で明確化する。
- 仮説立案
- アイデアを洗い出す
- 「分解の木」を使う。
- アイデアを絞り込む
- 「仮説の木」で話の筋道を整理する。
- アイデアを洗い出す
- 仮説チェック
- 仮説に沿って情報収集する
- 「課題分析シート」を使う。
- データ分析とチェックをする
- 効果・実行しやすさ、でマトリックスを作成して選択する。
- 仮説に沿って情報収集する
課題解決型アプローチの際には、概ね上記の流れを理解しておけば、滞りなく解決までの一定の道筋が見えて来ます。見えて来ない場合は、「時期ではない」「リサーチが足りない」「仮説が間違えている」「実行するための資源(金、人、時間)が十分ではない」「出来ることからとりかかることで良しとしない人が居る」などがあります。
ツール
ツールと言っても大層なものではなく、今で言うとパソコンやライングループなど、同じ情報を同時に複数の人が共有出来る道具、それらは全てツールです。
今は多くのツールがそれこそ非常に安く(あるいは無料で!)手に入りますので、「こういった情報を共有するのに使いやすいツールを知らないか」と素直に聞く姿勢は必要かと思います。特に視覚化は共有する上でとても大事なことですので、「どうやったらこれを視覚化出来るか」と考えてみてください。
仕組み作り
週ごとにまとまった考える時間を作る、最終意志決定者は誰なのか、いつまでにタイムリミットを区切るのか、ロスカット(撤退ライン)はどのように決められたのか、全員に周知するための方法は、などが仕組み作りには必要です。
ですが、一番は意思決定者が「これは乗り越えるべき課題であり、そこにエネルギーを向けることが大事である。誰か悪者が居るのではなく、正しい仕組み作りをする時期に来たのだ」と認識するだけで、問題は成長のための課題に早変わりします。
一番大事なこと
考え方、ツール、仕組み作り、どれも大事ですが、一番は「マインドセット」です。
「自分(たち)はこの課題を克服することが出来る」
と信じることが分かりやすい問題解決術には一番重要です。
信じていない人に克服は出来ませんし、出来てもまぐれだったとしか思えないようでは意味がありません。
まずは誰がやっても同じパフォーマンスが出せるように、再現性がある方法を見つけて行きましょう。
今回の出来たら知りたくなかった問題は、あなたの人生、あなたの企業を豊かにするために現れた「課題」なんではないでしょうか。