初めての人でも使える心理学テクニック
心理学というと、大学や大学院などでしか教えてくれない、少しとっつきにくいイメージがあるかもしれません。あるいは逆に、◯◯スクールや◯◯カウンセラー養成講座などで聞く、とっても簡単な(ともすると勉強する意味あるの?と感じてしまうような)心理学まで幅が広いです。
中には難しい理論もありますが、逆に「知ったらすぐに使えるテクニック」というものも存在します。
自分も含めた、人を変えていく場面ですぐに使えるテクニックをご紹介します。
ピグマリオン効果
アメリカの教育心理学者、ローゼンタールが提唱しました。ある実験で、学校で児童に知能テストを実施し、担任には「うそ」の結果を伝えました。普通に考えれば、知能が高い児童は成績が高く、知能が低い児童は成績が低くなるはずです。しかし、実際は「うそでも知能が高いと教えられた児童は成績が上がり、知能が高くないと教えられた児童は成績が伸びなかった」のです。このことから、他者への期待値がその後の成長を決定づける大きな要因のひとつになると考えられています。
自分の作った彫刻に恋をしたピグマリオンが、神に祈りを捧げて彫刻を人間にしてもらい、幸せに暮らしたという神話からピグマリオン効果と名付けられました。
相手は人間で感情があります。能力に感情という要素が影響します。職場の雰囲気は働いているあなた(たち)が作れると知ってください。その上でどんな雰囲気を作るかです。
期待をされると嬉しくなり、能力以上の成果をもぎ取ってくることは決して不思議なことではありません。
相手への期待が後の成長と関係していることを是非知っておいていただけたらと思います。
泣くから悲しい
いまから、100年以上も前に、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズ(W.James)とオランダの心理学者カール・ランゲ(C.G.Lamge)が提唱した、ジェームズ=ランゲ説というものがあります。
一般的には悲しい(原因)から、泣く(現象)が起こると考えられていますが、ジェームズ=ランゲ説では、身体反応は情動経験に先立つものだと言う見解で、骨格筋や内臓の変化が情動を引き起こすと考えられました。
すなわち
1.感覚器から入った情報が脳に行く。
2.脳から情報が骨格筋や内臓に行き、反応する。(泣く)
3・4.骨格筋や内臓の変化が脳に行き、情動が起こる。(悲しいと感じる)
という順番をたどると考えられたのです。
このことから、感情をコントロールするために、表情や行動からコントロールするという方法を取ることが出来ます。
相手が落ち込んでいるからと言って、慰めるばかりが手ではありません。
その相手が出来ることを見つけ、行動させること。そうすることで、落ち込んでいる感情を切り替えさせることが出来るようになるのです。
他人の感情だからどうしようもない、と考えるよりも、今ここで出来ることを考えていくと、次の手が見つかります。
引き下げの心理と脳は主語を理解出来ない
あなたの周りに居られませんか?他人が評価をされると、「でもね」と言う人。
例えば隣の家のお子さんが就職したのを聞いたら「よかったわねー♪」と言う一方で、「でもあそこって辞めている人も多いでしょ?一寸先は闇よねー」と思わず言ってる人。
これを引き下げの心理といいます。
根っこは自信がなく、自分の価値を守るために他人の価値を否定しなければならない気持ちの現れなのですが、実は自分の価値を守ろうとして、実際は自分の価値を引き下げていることになるのです。
なぜか?
引き下げの心理を持っている人は、あなたが居ないところでは、あなたの引き下げ(つまり悪口ですね)をしていると思いませんか?
決して人はそういう人には近寄らなくなります。
そして脳みそは主語を理解出来ないことも合わせて知っておきましょう。
誰かの引き下げをしている時、他の人の悪口を言っている時、脳みそは主語を理解しないので、「あの人」のことを貶めてるつもりでも、「自分が」と脳みそは受け止めてしまうのです。
ネガティブワードは使えば使うほど、自信をどんどんなくしていきます。
そこで逆転の発想。
自信がないならあるふりをしたらいい。どうやったらいいか?
いいところを見つけてみんなの前で褒めましょう。
周りの成功を素直に喜びましょう。手柄は相手のおかげにしてしまいましょう。
面白いことにあなたのやることを見て、相手も同じことを始めます。あなたがみんなの前で話すことがある立場なら、朝礼や会議などで「個人ではなく、一般論として全体に伝える」でもいいと思います。
引き下げの心理で引き下げている相手を見たらどうしたらいいか?
「あなたは色んな視点を持っていて面白いですね」と一言褒めた上で、「他にはどんな捉え方がありますか?」と聞いてあげれば、いつかはポジティブな発言に変わります。
お客さんからニーズを引き出す時にも「この部分でお困りではないですか?ね?ね?お困りですよね?」というよりも「あなたはうまく行っているから自社の商品(サービス)は要らないですね。では」と立ち去ろうとした方が、相手から「ちょ、ちょっと待ってください」と言われるテクニックもありますが、それはブログで少しずつ書いて行きますね。
これらは心理学を人材育成に活用出来るほんの入り口です。
心理学には面白い事例と研究が多いので、出来るだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思っています。
時々読めたらいいやという方は右上の「週刊CBT通信」から、「がっつり一回で深い人材育成や社内教育を学びたい」という方は下のパフォーマンスマネジメントプログラムを、是非無料で受け取ってください。