発達障害支援

話しが長いと言われたときにこれが出来ますか

臨床心理士の舩曳@大阪です。

 

発達障害の方ご本人や親族の方(特に親御さん)と話しをしていると、必ずと言っていいほど尋ねられることがあります。

 

それは、「この病気は治るんでしょうか?」ということ。

 

結論から言うと、厳密な意味では脳の中枢神経系の機能不全なので治るという言葉については、「医療技術が大きく変わらない限りは治らないでしょう」と言うのが答えです。

 

しかし、一方で社会適応がより良くなることについては、「自己理解と訓練により改善は可能です」とお応えしています。

 

何が違うのかというと、前者は薬のようなもので外から何かアプローチをすることによって、状況改善するかという点ではかなり厳しいです。

 

逆に自己理解をして出し方をコントロールすることは不可能ではないとお伝えしています。

 

例えば発達障害の方の特徴の一つとして、「話しが長い」というものがあるのですが、これは会社組織などに属している時に問題になってきます。

 

つまり報連相を始め、組織に置いて意思疎通のためにコミュニケーションが必要となってくるんですが、このプレゼンが極端に苦手なのが発達障害の一つの特徴です。

 

Aということを言うために、Bということを話さないといけないと思い、そのBを話すためにCを話し、Cを話すとC’のことも伝えないといけない気になる。「あれ?自分は何を話そうとしているんだったっけ?」途中で混乱することが多い方もこのタイプです。

 

突発的なことが苦手なことが多いので、自己理解やコントロールしようと思っている方は予め準備をしてもらっています。

 

例えば「言うべきことを箇条書きでいいのでメモに書いておく」。途中で勝手に判断しない限り、主なストーリーは伝わるでしょう。

また、プレゼンにおいては「最初に結論を言う。後からその理由を伝える」ことが出来るかどうかが会社適応出来るかどうかの境目だと思っています。

 

「私の結論としては○○です。なぜならAという理由だからです。Aの根拠としてはBだからです」

 

と端的に話せるかどうかというのは相手と時間を共有するからこそ必要なスキルです。

 

なので大体の場合、「結論から話すことは出来ますか?」と投げかけてみて、それが難しい場合は、コミュニケーションをあまり必要としなかったり、パターンが決まっているお仕事の方が生きやすくなると言うことが出来ます。

 

もし結論から話そうとしても出来ない、メモに書いても脱線する場合は、社内でかなり浮いている可能性があります。自覚がある方も多いです。

 

その場合は一刻も早くご相談をして下さい。

放置しておくと、二次障害としての不眠やうつになることが分かっているので、早期発見、早期対処が必要です。

 

ご自身の話しが長くて注意を受けるとき、上記のことを思い出していただけるといいかと思います。

 

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