臨床心理士の舩曳@大阪です。全国電話&スカイプ相談対応中です。
発達障害を持つお子さんの親御さんからのご相談も随分多いです。
支援者の支援ということもうちでは大事にしているので、普段どういうことを意識して、どう関わるとよりベターなのかを今回は書いてみたいと思います。
役割を意識する
これは発達障害の方だけではなく、愛着障害(親のせいということではなく、ご本人の受取り方が偏っている場合もあります。一概に親のせいという意味ではありません)の方も居られますが、同じ人が役割が変わると混乱される方が居られます。
例えば、お父さんはお小遣いくれるけど怖い、お母さんは優しいけど口うるさい、などお子さんなりに親の役割というのを感じ取っています。
この役割がご本人のイメージの中でずっと続く方も居られますし、場面場面で変わることを理解している方も居られます。
ですが、基本的に一人の方がこなす役割は
一つ
である方が、ご本人は混乱せずに理解し易いです。
例えば、何か子どもが叱られるようなことをしたとき、夫婦で話し合って、今回は叱り役と、受けとめる役をどちらが担うのか事前にきっちりと話し合っておいて下さい。
間違いなく、その直後は叱り役の方は嫌われますし、受け止め役には依存します。
ですが、これをコロコロ役割を変えられると発達障害の方は混乱して、「どっちも嫌い!」となる確率が非常に高いです。
要は、メモリの容量の問題で、「相手には立場や考え方があってそれが状況によって、随時変化すること」についていけません。
そのため、その混乱を防ぐためには、最初から最後まで役割(立場)を変えないこと、そしてそれを意識し続けることがしつけには大事です。
叱る場合もまずは受容的に
よく出てくるこの図です(笑)
まずは相手の言い分を聞きましょう。これが受容的のベースの部分になります。
その際のポイントは
1.問題を解決しないといけない問題と認識しているか
2.解決に向けての意思はあるのか
3.解決した場合の本人のメリット
などを事前に把握しておくと、整理がしやすいです。
一つ一つ説明しましょう。
1.問題認識しているか
自分の尊敬している方に超天才の営業マンが居ます。
ですがこの方は遅刻魔です(笑)。平気で1時間2時間遅れて来ます。最悪人と会わせるために日程調整したのに、現れないこともあります。
ただこの方は仕事が出来すぎるので、遅刻しても「困らない」のです。
なぜなら、周りがガマンしているから(笑)
これとは状況が違うかもしれませんが、発達障害の方の中には、何が問題で周りが怒っているのか分からない場合がありますので、今後親御さんであるあなたが不在の時に同じ問題を起こす可能性があるなら、親としては当たり前と思うことであっても、叱る前に何が問題かを共有する必要があります。
2.解決に向けての意思があるのか
自信がない子の場合に多いのですが、「どうせ自分には無理やし」と早々に諦めてしまう子も居ますが、基本的に自他が困っていて、解決に向けての意思がない子は居ません。
ですが、これを親の方から「解決に向けて努力しなさい」とやると角も立つし、言われた方も腹も立ちます。
まずは1で問題共有出来たら、「○○が原因で困っている人が居るんだけど、あなたは解決したいと思う?」と聞いて上げて下さい。
自分の意見を聞いてもらえたと思うだけで、ご本人は受容的に感じて、動き出すエネルギーを持つことが出来ます。
余談ですが、営業のテクニックでも、商品を売りたければ、相手の意見やニーズを先に聞くことが商品が売れるかどうかに大きく影響を与えています。
「解決に向けての意思がある」
と言ったら、次のステップに進みましょう。
3.解決した場合の本人のメリット
言い換えると、解決出来なかった場合のデメリットとも言えます。
要は周りは困っていても、本人に解決するニーズがない場合もあるということです。
先の天才営業マンで言えば、遅刻魔を改善することで、もっと周りからの評価がよくなるということですね。裏を返せば、「そのうち信頼なくしまっせ、あんた」と伝えて上げることです。
解決した場合のメリットの方が響く方も居ますし、逆に解決出来なかった場合のデメリットが響く方も居られます。
どちらがよいとは言いにくいですが、個人的には前者の解決したらメリットの方が伝わりがよい感じはあります。
相手を嫌な気分にさせたことで、仲間はずれやいじめに遭うこともあるかもしれません。
言い方伝え方はあるかもしれませんが、気付かずしれっとされているよりも、「もしかしたら自分の取った態度があなたを傷つけたかもしれない。ごめんなさい」と言うことで、その後仲間はずれにされる率は下がります。
思春期だから難しいところもあるかもしれません。
ですが、その時、「行動出来たこと(=結果じゃなくて)」がその子の後の自信に繋がるのです。
解決に向けてアクションを取ったことを大いに褒めて上げて下さい。
この「褒められること」もご本人にしたらメリットになります。
少し長くなったのでまとめると、上記のようなことを意識し、まずは受容的に話しを聞き、具体的な解決策を一緒に考え、誰が見ても客観的な基準を示してあげること、これが発達障害を持つ子へのしつけとして大事なことだとお伝えしています。
客観的な基準についてはまた改めてお伝えしますね。
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