公認心理師・臨床心理士の舩曳です。
今回はやや厳し目です。本気の人のみ読むことをオススメします。
自己実現セラピーでは、自分の自己実現に迷ったとき、目指すべき方向として、どういう言葉で表すべきかということを問いかけます。
これは私自身が自己啓発セミナーで体験したことが元になっています。
自己実現が本当に必要な人とは
そのセミナーのプログラムでは、全参加者の前でコミット(達成することを約束)するのですが、自分はその頃は本当に、実績や自信もなく、何を言葉にしても、誰にも伝わる気がしなかったのです。
しかし、みんなの前でコミットする順番は回ってきます。厳密には、さらに厳しい条件として、
「 その人がコミットとしたことが実現すると感じられたかどうか 」
を参加者に問いかけ、一人でも手を挙げたら、1人ずつプログラムから抜けていく、システムでした。要は
「 自分のコミットを信じてもらえない人は居残り続ける 」
というシステムだったんですね。
次々コミットし、参加者(仲間)から承認(手をあげて)もらい、抜けていく仲間たち。
ちなみにコミットしても、誰も手を挙げてもらえなければ、列に戻ってやり直しです。
今振り返ると、私達が日常社会で体験していることをミニコミュニティで実践している、そんな風にも思えます。
前置きが長くなりましたが、私達は相談者に投げかける言葉があります。
「 どうなりたいのか? 」
「 何をするのか? 」
「 どうありたい(どういうあり方をしたい)のか? 」
言葉があなたを作る
人間は普段使う言葉に左右されたり、支配されたり、自己抑制出来ることはご存知の通りです。
普段使う言葉がネガティブな人はネガティブな理由や事柄を見つけ、ポジティブな人はポジティブな理由や事柄を見つけては、そのことを強化していきます。
・自分はダメなやつだ。
・自分には出来っこない。
・あいつの方が上なのは仕方ない(悔しいけど)
・好きな人から愛されない自分には価値はない
などなど、普段使っている言葉が、その言葉に合致する、ある意味
【 自分にとって都合がいい事柄 】
を見つけているのです。
フラれたときには、→やっぱり自分に価値なんてないんだ。
出世競争に負けたときには、→どうせ自分なんて
こういう言葉を口にすればするほど、自分はその言葉に洗脳されていきます。
ドンドンマイナスの原因や、自分がダメな理由を見つけ、自分を納得させていきます。
逆に言えば、
フラれたときには、→おっ!次の出会いのために身を引いてくれてありがとう!
出世競争に負けたときには、→今はお先にどうぞ。自分は今のステージでまだやることあるから。
こんな言葉を使っていれば、周りの言葉や出来事なんてくそくらえです。
自分のあり方に影響を与えるのはやっぱり自分
最初の話に戻ります。
上記した、私が最初に参加した自己啓発セミナーでは、最終的には自分の言葉は参加者には届きませんでした。そのことに今は感謝しています。
言葉ではない、自分の自信のなさや、
「 どうせやっても出来ないだろう 」
そんな気持ちが態度に、私の言葉やあり方に、そしてあり方に漏れ出ていたのでしょう。
参加者は厳しさではなく、
「 今手を挙げることは優しさでもなんでもない 」
と判断したんだ、今の私はそう考えます。
付け加えるなら、
「 今は無理でも、こいつ(私)ならいつか絶対人に届くコミットが出来るはずだから、甘やかせてはいけない 」
そんな風に思って、挙げてあげてもいいかなと言う思いをぐっとこらえた参加者も居たと確信しています。参考までに、そのとき参加者からは承認はいただけなかったのですが、自分のメンターも参加していて、そのメンターに承認をもらうことで、自分の(プログラム上の)コミットはなんとか承認してもらうことが出来ました。
あり方はあなたの人生そのものを変える
私は最後、人間とは
【 どれだけ自分のあり方にこだわれるか 】
だと思っています。
「 どう【なり】たいのか? 」
→まだそう【なれていない】ことを意識してしまう。
「 何をするのか? 」
→ゴールによって、すべきことは変わって来ます。ゴールが曖昧な人の「~~する」は非常に薄っぺらく、自分自身にすら確信が持てません。
「 どうありたい(どういうあり方をしたい)のか? 」
→最終的にはコレです。
私はその人と向き合うとき、どうありたいのか、ここをとことん掘り下げます。
もちろん、ビジネスをしているなら、達成目標やいくら儲けるということはとても大事なことです。
しかし、それすら、
【 (自分がこうありたいと願う)あり方 】
が定まっていなかったり、ずれていたら、啓発セミナーのときの私のように誰の心にも響かないし、届かないし、確信が持てないのです。ここであり方がずれてしまうと、他人を騙しても儲けたら勝ちみたいな考え方が育ってしまいます。自分は絶対やりませんが。
だから、迷ったら自分の心に問うてみて下さい。
「 ○○(自分の名前)よ、お前は本当はどうありたいのか? 」
と。
あり方がその人の一生を決めると言っても過言ではありません。
あり方定まっていれば、どんな環境、どんな相手、どんな治療者であっても、最終的なゴールにはたどり着けます。
もしあなたが自己実現、自分の進む方向に迷ったときには、自分のあり方について是非一度考えて見て下さい。
もし答えが曖昧で、人生に焦っている場合には、伴走したりそのときのあなたに合った質問であなたの答えを引き出しますので、いつでもご相談下さいね。
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