大阪一点突破カウンセリングCBT舩曳です。
先日同業の方のセミナーに参加してきました。
その中で話題に上がったこと。
「最近ポジティブな言葉を使おう的な、何かあったらポジティブ、ポジティブ言うなんちゃってカウンセラーやなんちゃってコーチ増えて来たよね」
ということで意気投合しました。
心理学で言うポジティブな言葉の正しい使い方を今回は、お話したいと思います。
ポジティブなキーワードを使いまくれば成功するかのようにくどく言うカウンセラーが世の中にはかなりの数居ます。
ですがここで2つほど押さえておくべきポイントがあります。
1.本当にポジティブなキーワードなのか
2.どうやって潜在意識に届けるか
です。
まず最初の1.本当にポジティブなキーワードかどうか、ですが、これはまず行動分析で使う、死人テストというのを使います。
例えば子どもに怒ってばかりの母であることに悩んでいる人に「怒らないように」は全くのポジティブキーワードではありません。ここで「怒らないということは死人に出来るか?」を考えます。
「怒らない」「酔わない」「騒がない」は全て死人が出来ることです。なので「怒らない」はポジティブキーワードになりません。というのも「~~しない」という言葉自体がネガティブキーワードだからです(笑)
昨日のセミナーの中では、「勉強させてもらう」「問題である」「参考になった」「覚える」もネガティブキーワードだとおっしゃっていました。
基本的に私も「日々起こるご本人が問題としか思えないような状況は『乗り越えるべき課題』である」とお伝えしています。
まずは本当のポジティブキーワードとは何かについては検証が必要です。
そして2つ目が、どうやって無意識に届けるか?です。
少し余談ですが、人の意識は
(浅い)
顕在意識(氷山の上)
↓
潜在意識(氷山の下)
↓
無意識(周りの海;溶け出しているところ)
(深い)
となっています。
潜在意識と無意識の違いはなんとか意識しようとしたら意識出来るのが潜在意識。
ですが「ペットボトルを手にとって下さい」と言われ、ひょいと持ってしまうときには「無意識」が働いています。
潜在意識と無意識をあえて分ける必要があるのかどうか、個人的には疑問ですが、学問としては分けられているのでお伝えしておきます。
話しを戻して例えば、「怒っているとマイナスのことを引き寄せるから、いたずらばかりしているお子さんに対してもにこにこ笑って許しましょう」ははっきり言ってナンセンスです。叱るべき時にはしかりましょう。
この例に代表されるように、根拠をすっ飛ばしてポジティブなことだけ入れようとすると無意識が抵抗を起こします。結果、ポジティブなキーワードを使っているはずなのに、心が晴れないということが生じてしまいます。
先程もお伝えしましたが、無意識に届けようと思ったら、無意識がすんなり受け入れられる根拠であったり、ストーリーを用意する必要があるのです。
子どものいたずらを見たときに「大人を困らせるため」にしているのか「寂しいからかまってもらいたいのか」、どちらで判断するかによって、無意識への届き方は変わって来ます。
無理やり飲み込んだのか、ちゃんと咀嚼して食べたのかの違いくらい、消化スピードが変わって来ます。
当然消化がいいのはちゃんと咀嚼した方です。
また行動に落としこむ、口に出すことも有効とされています。
子どものいたずらを見た時に、「ああ、寂しくてかまって欲しいんだ」と心の底から思ったら、子どもの頭をそっと撫でたくなりませんか?あるいはそんな小さな子どもに寂しさを感じさせるほど余裕がなかったのかと気づくこともあるでしょう。
余裕がなかったはこの場合は一見ネガティブなことに聞こえるかもしれませんが、「そのことに気づいた」のであれば立派なポジティブキーワードです。
ではポジティブ・ネガティブキーワードの見分け方をお教えしましょう。
ネガティブ→過去基準思考
ポジティブ→未来基準思考
です。
これまで、過去、からその言葉を発しているか、これから、未来からの視点でその言葉を発しているか、ポジティブ・ネガティブの差はこの一点に尽きます。
もしあなたがポジティブなキーワードを活用して、ポジティブな人生を創っていきたい、そう思ったら是非そのことが未来基準思考なのかどうかを一度見極めてみてはいかがでしょうか?