業務改善の救世主 パフォーマンス・マネジメントとは

第1章

「自分ってダメな上司かも・・・」

■問題■images

大仁田商事に入社して早10年、

係長になった百田にも部下が数名出来た。

乾守(いぬいまもる)もその一人である。

 

「よろしくお願いします!!」

 

鼓膜が破れるかと思わんばかりの

大声で挨拶をしてきたあいつは、

今日も変わらず元気がいい。

百田にもなついてくれている。

だがこいつはとある問題を持っているのだ。

 

百田「乾くん、頼んでおいた資料出来てる?」

乾「はい、完成しています!こちらです!」

百田「ご苦労さん。じゃあちょっと拝見・・・」

 

作成された資料にざっと目を通す。

一通り目を通しただけでも不具合が13個も見つかる。

普通社会人になってこれだけ間違えるか?

百田は心の声を押し殺す。

 

百田「乾くん、何度も言うようで悪いが、

見直しはしたのかね?」

乾「もちろんです。何度も読み返しましたよ」

百田「読み返しではなく、見直しなんだがね。

例えば、これはバインダーに挟むことが前提の資料だ。

余白が全くないと、閉じることも出来ないぞ。

もう一度チェックしたら返すから、

そこを直して持ってきてくれる?」

乾「分かりました!!」

 

返事はいい。素直でもある。

人懐っこく乾を嫌いな人間はほとんどいないだろう。

ただ乾は・・・言われたことはこなせるが、あくまでそれだけ。

前言ったことや、社会人として知っているであろう

常識というものに欠けていると百田は思う。

配置換えを願うにしても、

係長の自分が申し出ることは、

乾のためにもそして自分のためにもならないだろう。

 

「どうしたもんかな・・・」

思わず独り言も漏れ出るというものだ。

 

こういう時はあの人のところに相談に行こう。

 

こうして百田の大仁田商事での物語が始まります。

表題にもあるパフォーマンス・マネジメント(※)という技法を通して、

百田は他人の問題行動を少しずつ変えて行きます。

 

きっとあなたも身につけたくなるスキルがたくさん

散りばめられています。

 

ストーリーの続きが気になる方は、

こちらから続きが読めます。物語形式で、部下や周りの人に気持よく動いてもらう(言葉を選ばず言うならコントロール出来る)ための技法が載せてあります。

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■原因推定フローチャート

指示をしたのに人が思うように動かない。

原因には3つの段階があると言われています。

 

原因推定フローチャート

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ポイント

人はしないと行けないことが分かっていても出来るとは限らない

 

 

そのため、原因の推定はとても重要である。

 

例えばゴルフのスイングを教える場合を考えてみよう。

教室で教えてもうまくならない受講者もいるかもしれない。

それはゴルフのルールを知らない場合もあるだろうし、ゴルフのクラブを振ったことがないのかもしれないし、特にゴルフをうまくなりたい理由がないのかもしれない。付き合いでたまたま来ているだけのこともあるかもしれない。

 

営業であれば、営業というのを押し売りのようにしか捉えておらず、営業の営業たる所以を何か知らない場合もあるし、営業のやり方を知っていても、どんな行動がより適切なのか分からない場合もある。また営業という仕事に魅力を感じておらず、モチベーションがないのかもしれない。

 

多くの場合は「本人のやる気がない」と結論付けられ、悪者探しが完了した時点で解決した気になってしまうことが多いのだ。

これを行動分析学では「個人攻撃の罠」と読んでいる。つまり、よく分からない問題は、特に目立つ行動をしているあいつのせいにしちゃえ。それで万事解決だ。というわけである。

 

しかし本質的な問題が解決していないために、再度似た状況が起こると、さらに先ほどの問題児も絡んでいないとすると、次の生け贄を探すこととなる。この発想に陥った会社はとても不幸である。誰も積極的にプロジェクトに関わろうとしなくなるだろう。

 

ではどうしたらいいのだろうか?

 

今回の乾のように望ましい業務を身につけさせるには、実はいくつかポイントがあるのだ。

 

それを一緒に見て行きたいと思う。

※)参考文献 島宗理著「パフォーマンス・マネジメント」より

パフォーマンス・マネジメントについてストーリー形式で楽しく学びたい場合は↓こちら↓から読むことが出来ます。



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